それは、お正月の帰省から、自宅のある北海道へ戻るときのことです。
4歳、7歳、10歳になる子供3人を連れ、早朝、実家の最寄駅から出る、空港行きの高速バスに乗りこみました。
バス乗り場には、実家の父が同行してくれました。
孫3人と涙の別れを終え、一人帰路につこうとする後ろ姿があります。
私も
「ああ、どうして地元に住めないのだろう。こんな寂しい思いは、もうしたくない…」。
あふれそうになる涙を必死でこらえ、心ではそう、思っていました。
そんな悲しい思いのままバスは走りだし、もうすぐ空港というときです。
「あれ?そういえば、いつも前日にくる航空会社からの予約確認メール、見たっけ?」
軽い気持ちでスマホの受信欄を確認、目を皿のようにして、再度確認します。
「…」。
何度見直しても、予約内容のメールがありません。
顔にも手にも、いやーな汗をかき始め、たぶん、顔面は蒼白に…。
バスは、そんな私の焦る気も知らず、悠々とターミナルの停車場に入っていきました。
子供に事情を説明し、3人を引きずり下ろすように、無理やりバスから連れだし、長女に下2人を頼み、急いでカウンターへ。
すると、担当者からかえってきた言葉は
「お客様の予約の便は、明日の出発ですね…。」
明日!?
どおりで、昨日のうちに、メールがこないわけだ…。
しばらく呆然としました。
これからどうしよう、どうしたらよいのだろうと。
実家には、不眠症と戦う具合の悪い母がいて、2週間も親子4人でお世話になった身としては、帰るわけにはいきませんでした。
心配させたくなかったのです。
今日の便に乗りたい!
でも、超割で予約した飛行機です。
当日便を使ったら、親子4人でいくらかかるかわかりません。
先に自宅に帰っていた主人に、子供たちと電話をしました。
「怒られるな、怒鳴られるかも…。」
と思いきや、主人は私を責めませんでした。
その代わりに、私に指示したのは
「まず、落ち着くこと。
カウンターで、今日の便に乗るといくらかかるか聞くこと。
そのうえで、差額を払って乗るよりも、空港近くのホテルに泊まったほうが安ければ、そうすること。
子供たちの体調と安全を第一に考え行動すること」
でした。
ゆっくり深呼吸をし、言われたとおりに行動すると、やはりホテル代のほうが安くすみました。
空港のソファで、ひたすら子供たちと宿を探し、なんとか空港そばのホテルをおさえました。
着替えを持っていなかったため、子供の下着などを買い足します。
あとはホテルの従業員さんの優しい計らいで、子供用のアメニティとパジャマを借りることが出来、なんとか部屋で落ち着き、子供たちの強い希望で、スカイツリーまで外出…。
本当に生きた心地のしない1日でした。
無駄な出費をかかえ、それから4か月くらい、赤字をひきずりましたし…。
失敗して分かった!学んだ!! 3つの「心得」
そこで、こんな私に言われたくないかもしれませんが、10年いったりきたりの生活をしていても、このような大きなドジをすることがあります。
長距離移動をなさる、お母さんたちへ助言です。
とにかく、子連れの移動はそれだけでも大変。
ましてや小さければ小さいほど、おむつ替えなどの道具も要り、荷物も増えてもっと大変です。
『心得その1』
なるべく、親は2人で行動しましょう。
『心得その2』
どうしてもしようがないときは、一人でも余裕をもって、子供を叱らないで済む行動を心がけましょう。
(私の場合、夫の職業が新聞記者で、休みがあまりとれず、ほとんど1人で子育てですが)
『心得その3』
絶対に、列車や航空機のチケットは、前々日くらいまでには一度予約の確認をすること!
以上です。
どうぞ、皆様の帰省が、待っている親にも子供の自分にとっても、楽しいものとなりますように…。